2008年末より読み始め
とうとう19巻読み終えました。
いやぁ〜 これは予想以上に楽しめました!
『水滸伝』
19巻もあると
自分流の読書儀式みたいな作法ができてきて
新しい巻を読む前に
表紙カバーの色を眺め
19巻とりどりの単色で彩るカバーに
19巻統一した黒の帯を眺め
そして帯に色ヌキで印刷されたコピーを読む
たとえば 第15巻の帯には
「私は、もっと闘える。闘うべきなのだ。
先に死んだ者たちのためにもな」
花栄の矢、神の速さとなりて敵陣を翔る。
この帯のコピーを読むだけで
9巻あたりから うるうるしてくるのだ!
次に裏表紙に記された
174字程度 ほぼ同じ文字数の
あらすじダイジェストを読む
これがまた本編の見せ場を一瞬で捉えているようで
うまく書かれてあるのだ!
そしてやおら1巻を購入した時書店でかけてもらった
ブックカバーを次の巻に掛けかえる。
いよいよページを開き
巻頭の扉に描かれた 陳仁柔が描く
一人だけ選ばれた漢(おとこ)の人物画をしげしげと眺め
そして
毎号登場する順番や 戦死者の欄に記載が変わっていく
登場人物の名を眺め
物語の舞台となる梁山泊周辺の地図をさらりと見る
ここまでがなんだか儀式みたいになっていた。
そしていよいよ本編を読み始める・・・。
読書はこのところ 台所の換気扇の側で
足元の電気ストーブをつけ換気扇を回す
もっぱら喫煙タイムに『水滸伝』を読んでいるのだ。
日に何本くら喫煙するか
『水滸伝』読書がクセになり そのついでに喫煙しているのかは
どちらでもよしとして
まぁ・・・だいたい2日に1冊というペースで19巻をすすめていった。
本編を読み終えると
解説も読む。毎号けっこう解説が面白いのだ!
1巻の北上次郎氏の解説は大絶賛で以後の読書への意欲を駆り立て
毎号に好評と綴られつづける解説に だんだん食傷ぎみなりかけ
突然16巻に登場するロッカーのあの吉川晃司氏が解説を寄せる
冒頭は「小説とはなんだ。」と書き出し
意外に丁寧に解説している。
意外だった・・・・あの吉川さんだ!
19巻中 跳び抜けでユニークだった解説は
18巻に登場する夢枕 獏氏
本編とはまるで関係のない釣りについてのエッセイ風な記述で
これが解説か?とキツネにつままれたみたいな
なんかへんな感じかする解説だった
しかし・・・・実は『水滸伝』を読んだ読者にとっては通じると思うが
釣りのシーンは「宋江と晃蓋」にとっては重要な釣りのシーンで
夢枕 獏氏のなんだかよく判らない解説が
実は本編とニクイほど被ってくる。
しかし 一番面白かった解説は
ラスト19巻に登場する ムルハーン千栄子氏の書いたものだった!
女性の視点で眺める『水滸伝』・・・というか
19巻 一騎(この字を当てたくなってしまった)に読み通した
私自身が感じた『水滸伝』への想いと
ムルハーン千栄子氏の考えとが かなり重なっていた!
19巻を台所で読み終え
私の人生の中で 台所にこんなにも長く篭もり
時に台所で居眠りをこくなんてことあり・・・の
『水滸伝』月間だった。
さて・・・次は何を読もうかと思案中。 |