●「欲望という名の電車」についてツラツラと思うこと・・・・
戯曲 抜粋
黒人女:
「ブルームーン・カクテル」だけはおよしよ、ちゃんと自分の足で歩いて帰れなくなるからね。」
と、意味深なセリフからはじまる
「欲望という名の電車」 A Streetcar Named Desire
この作品こそは、なによりも戯曲(原作 テネシー・ウィリアムズの「欲望という名の電車」)を読んでから映画や芝居を見て欲しいな・・・!
近代演劇史上不朽の名作といわれる所以がわかります。
「欲望という名の電車」 A Streetcar Named Desire 小田島雄志 訳 新潮文庫
514円
この 「欲望という名の電車」 A Streetcar Named Desire の舞台となっているニューオーリンズJAZZ発祥の地、現在では、フレンチクォーターという数百メートル四方の中に点在していまるフランスとスペイン統治時代の建物と,アフリカ系アメリカ人(黒人)文化が融合した観光スポットとしてにぎわっているそうです。
※ここからはネタバレ注意 作品をまだ見ていない方はご注意!
ブランチの育った南部の生活というのは・・・・・・・。
どうもビビアン・リーの「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラが見え隠れして、たぶんあんな生活だったんだろうなぁ・・と想像できます。
では、この 「欲望という名の電車」の舞台となる時代は・・・というと 戯曲にも年号は書き出されていませんでした。
「米南部の滅び行く地主階級新時代を担う労働者階級の相克を描く」という映画のキャッチコピーが今ひとつピンとこなくてこのストーリーに登場するブランチはどんな時代にいきたのでしょうか・・・。
ブランチの生家の豊かだった時代は南北戦争の1861 年 ころから ブランチが登場する舞台の時代は第二次世界大戦直後の1946年ころなのでしょうか・・・。
●A Streetcar Named Desire テネシー・ウィリアムズ自身 1939年ころ、この町に移り住み、実際にフレンチクォーターを走っていた電車を眺めていたそうです。そんなある時に、あの有名な台詞が思い浮かんだと言われています。
●ブランチがたびたびフランス語を話す理由は
「岩城浩之さんのセントルイスとアメリカの歴史」というサイトの744年の英仏戦争はアメリカ大陸の中の植民地の争奪戦(資料提供)
●ブランチの喫煙シーンがありますが、今では女性の喫煙もちっとも珍しくはないですけれど、
アメリカの社会史資料から「喫煙女性も登場し、たばこの売り上げは1920年代の10年間で倍増することになった」というのを見つけました。
●ボーリングのシーンが印象的でしたね。アメリカの社会史によると「1946年には自動のピンセッターが出現し、第2次世界大戦後、ボウリングは特にアメリカを中心として盛んになったのです。」
●劇中でも戯曲にも ブランチの嘘があからさまに見破られていくシーンに
「It's
Only Paper Moon ペーパーームーン」を効果的に使っています。
『「ペーパームーン」は1932年に作られた歌。「グレート・マグー」という芝居のために書かれた挿入歌で、発表されたときの題名は
“If You Believed in Me”だった。』となにかに書いてありました。
ベルリーブ時代の20代前半の若かりしブランチは想像ですが、たびたびこの歌を口ずさんでいたのでしょうか・・・。 |